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2017年のビットコインはバブルか。

6/11から6/15日にかけてビットコインの価格は、約23%下落した。日本円にして、約80,000円ほどの下落になる。現在値は、6/15で26万円ほどだ。これまでビットコインは下げることを知らない勢いで、上昇してきた。2017年だけで見れば300%以上の上昇だ。

この結果を見て、われわれが思うのは、ビットコインはバブルではないかという疑念だ。ビットコインは、水泡に消えてしまうのだろうか。


短期的には下落局面であるという判断は妥当だ。​​

エリオット波動

ゴールドマン・サックスのテクニカル分析の責任者シバ・ジャファリ(Sheba Jafari)氏は、6/12の予測で、

「相場は(いわゆるエリオット波動の)上昇第5波のうち第3波であり、開始値から261.8%増の目標価格3134ドル(約34万5000円)に近づいてきた(もう到達したと言えるかも?)。12日の終値が2749(303,336JPY)ドルを下回った場合、下降局面へ反転する日となるかもしれない」

としていた。

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2017年のビットコインはバブルか。

6/11の終わり値はどうだったかというと、Bitstampでのチャートで参照すると、2866ドル(2866316JPY)ほどと、ぎりぎり予測を上回った結果となった。しかしそれ以降のビットコインは、前述の通り、翌日6/12には、2480ドル(273,637JPY)まで下落し、6/15まで続落、現在2235ドル(246,604JPY)付近となっている。

この結果を鑑みるに、下落局面に入ったと判断するのは、おおむね妥当だと言えるだろう。ただし、シバ・ジャファリ氏の予測にあるとおり、相場は上昇第5波のうち第3波であり、長期的上昇の渦中と判断するのは、必ずしも希望的観測ではないだろう。大局的な見地においては、景色は違ってくる。

 


また、これまでの歴史上において見られたバブルとみなせるようないくつかの事象は、知識を有さないまま群衆的に、非理性的な投機行動を行うことが熱狂の終焉の兆しだという見方をわれわれに提供している。
しかしながら、外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏がTwitter上で公開された顧客への主婦層に向けたアンケートでは、暗号通貨を取引したくない・分からないが約76%を占め、興味はあるが実際に投資等を行っていない人を含めれば、結果は全体の約97%にのぼる。

※ミセス・ワタナベは、外国為替市場で主に使われる用語で、日本の個人投資家(特に主婦の投資家など)のことをいいます。
http://www.ifinance.ne.jp/glossary/currency/cur189.html

 

また、仮想通貨の管理・決済サービスを提供する米コインベース(サンフランシスコ)のブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)も、「これをバブルと呼ぶなら、今回は仮想通貨にとって3回目か4回目のバブル期にあたる」と話している。http://jp.wsj.com/articles/SB11627286305521544534204583192051378872648?mod=trending_now_2


 

批判的意見、および長期的上昇の懸念材料UASFの存在

一方で、大富豪のマーク・キューバン(Mark Cuban)氏が、ツイッター上でビットコインに懐疑的な見方を示した。
https://www.businessinsider.jp/post-34231

「ビットコインはバブルだ。いつ、どれくらい下がるかは分からない。皆がどれだけ簡単に金儲けできるかを自慢している。つまり、バブルだ」

 


 

また、実際的な懸念材料もある。ここ何年も議論されてきたがいまだ解決されていない、ビットコインの技術的問題だ。

これは、ビットコインのやりとりを行う際に、取引をひとつのブロックとしてまとめて処理するのだが、近年のビットコイン取引の増大に従って、既存のブロックサイズでは対応しきれなくなっている問題だ。これが解決しない限り、世界中で今起こっている送金の遅れ等の問題は解決せず、それにともなって利用者の減少も心配になってくる。そうした問題を解決しようとしている中で、ビットコインマイナーたちや、技術的思想にそぐわないとするグループが、ビットコインの問題解決を阻止したり、さまざまな行動をおこなっている。UASFは、そうした状況下のなかで、マイナーたちに牛耳られた合意形成の機会をとりもどそうとする試みだ。

UASFはUser-Activated Soft Forkの略称で、8月1日(フラグ・デイ)を堺に強制的にソフトフォークを実行するための提案である。これは、ビットコインの改善提案をまとめたBIP(BIP148)で提案されており、「採掘ハッシュレートと関係なしに多数派のユーザー(ウォレット、取引所など)が認めれば、それはプロトコルの新しいルールなのである」の精神でフォークを実行することから、「経済的多数決」とも呼ばれる。http://btcnews.jp/50oraaqu11371/

しかしこれに対して、ジハン・ウー率いるマイニングファーム、Bitmainが、UASFへの対抗策としてUAHF(User Activated Hard Fork)プランを発表するなど、争いは泥沼化しているといえるだろう。

ファンダメンタル的には、ビットコインは混乱のさなかにある。このような争いが、ビットコインの生みの親が望んでいることではないことは確かだ。

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2017年のビットコインはバブルか。

そうしたファンダメンタルな視点から、すこし休憩してテクニカル分析では、どうかというと、ジァファリ氏は
「3134ドルを超える短期的な最高値に注意。1915~2330ドルの間で再び上昇傾向に転換すると考えるべきとしている。

なるほど、たしかに具合はよさそうだ。ビットコインの問題の動向は追うにこしたことはないが、気を詰めすぎてあまり消耗しないようにしていくのは、個人投資家にとって懸命な判断だ。


ビットコインはバブルか。

今のビットコインは、単純に人々の熱狂だけでは測れないとするのが妥当な判断だと思われる。しかし、いろいろな問題を抱えている。短期的に見ては、やや値段は過熱感もある。

とはいえ、ビットコインは、いかがわしい商品ではないし、テクノロジー界・金融弱者にとってのホープだ。はいはい、バブルなんでしょ、で一蹴してしまっては、とてももったいない。それは個人の利得についてではなく、社会にとって、もったいない、ということだ。本当にすでに価値のなくなったものであれば、われわれは戦略的退却を余儀なくされる。しかし本質的な価値が失われていないのならば、ビットコインはバブルかどうかは、われわれ参加者がそれぞれに適切に考えていくべき課題である。なぜなら、十分に精査の行われない感情的な疑惑の視線は、金たり得たものを石ころに変えてしまう可能性を有しているからだ。

行動心理学の例に「アビリーンのバス」というものがある。これは、あるグループが暑い夏の日にわざわざ出かけて遠い田舎町アビリーンについたのに、本当のところ、グループの誰もがこんなところに来たくはなかった、誰もが家でゆっくりしていたかったのに、すれ違いで結果として逆の行動をとってしまった。という事例だ。

われわれはビットコインをアビリーン行きのバスに押し込んではいないだろうか。もしそうだとしたら、いま一度立ち止まって、ゆっくり考えてみる必要があるかもしれない。