ビットコイン分岐問題:BIP91の投票80%超過でロックイン:1ヶ月以内に Segwit が有効化へ。

どのような方向に転ぶかわからないビットコイン分岐問題でしたが、一応のところBIP91、つまりSegwit2xの方向に動きだしたようです。

またこの投票の可決によって、いくつかの提案で予定されていた8月1日のビットコインにおける変動はおおよそ無効化されました。
またBIP91のロックインに伴って、その提案が7月23日に正式に有効化されることになりました。

→追記:分岐の問題が「前倒し」になったという表記は誤解を招く表現であることが日本ブロックチェーン協会JBAの記事で指摘されていました。
これを受けて記事を全体的にリライトしました。主要該当部分はこちら

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各取引からの案内

 

CoincheckやZaifなど各所仮想通貨取引所からは本件についてのこのような案内が送られています。

 

2017年7月23日、ビットコインについて分岐が発生する可能性がございます。当初同様の分岐は同年8月1日に起こると予想されておりましたが、同年7月21日時点において上記日時に繰り上がる可能性がございます。
coincheckより

 

先日お知らせいたしました、「8月1日に予期されるビットコイン分岐リスクに向けた対応」の分岐時期について、 当初8月1日からの予定でしたが、BIP91によるソフトフォークの発生により、7月23日より対応することとなりましたので、下記の通りご報告させていただきます。

入出金の停止に関しては、取引所でお預かりしているお客様のBTC資産を確実に保全するための処置です。
取引所に預けたままにしておいても、フォーク後のBTCや派生した仮想通貨の資産を失うことはありませんのでご安心ください。
Zaifより

 


 

ビットコインの分岐問題

 

UASF

これまでビットコインはトランザクション(送金手続き)の詰まりが世界的に問題になっており、今後ビットコインの利用者が拡大していくにあたって機能改善は早急に行わなくてはならない状態にありました。

現在のビットコインは1ブロックのサイズに最大1MBという制限があるため、取引可能処理量に限界があり、送金データがすぐにブロックに取り込まれず、設定手数料が低いと送金完了に何日もかかってしまうことがある状況になっています。理論上の現在のビットコインの処理能力は7tps(取引/秒)であり、実際の処理能力はわずか最大2,3tps程度と言われています。
http://www.jpbitcoinblog.info/entry/20170718/1500364413

しかし、中国等の大手マイナーグループが、ビットコインの構造に調整が加えられることによって、これまでに投資してきた自社マイニング施設による効率化が損なわれるなどの企業・個人側の損益を憂慮し、もっとも改善として有効とされており各国内取引所等も支持の表明をしてきた(bitFlyerの加納社長によるSegwit2xを支持する発言)Segwit2xに対抗するような形で、UASF、UAHF等の代替策を打ち出してきました。
これにより、ビットコインはこれまでに培ってきた世界中でもっとも長いブロックチェーンを分岐させ、価値がどちらに転ぶか分からないような不安定な情勢を作りだしてきました。

UASFについては各所で議論されていますが、おおよその認識では非常に強行なやりかたで混乱を招く行為であり、テロ行為と呼んでも差し支えないという意見も(((西欧の車窓から:『ビットコインの非中央集権性が失われる日』:https://medium.com/@europian/decentralized-will-dead-be9b9a157ee0)))あります。
また以下のような意見もあります。

なお、UASF(User Activated Soft Fork)という言葉の下に「ユーザーこそが正義」というユーザーにとってはある種惹かれやすいBIP148支持の運動がRedditやtwitterなどで一部広がっていますが、主要なCore開発者たちの多くは冷静な見方をしており、ネットワークの混乱の可能性が高く危険な提案であることから、メーリングリストではBIP148を支持しないという意見(gmaxwellsdaftuar)を表明しているほか、開発チームのIRCの定例ミーティングでもeconomic majorityの支持がない限りは支持しないという意見が大勢を占めていて、強行派のluke-jrが議論では孤立していました。
http://www.jpbitcoinblog.info/entry/20170718/1500364413

 


 

BP91グラフ

BIP91、Segwit2x

しかしながら、今回、世界中の80%を超えるマイナーたちは、よりトランザクションの効率性を高めることができるSegwit2xの方向に舵をとることに同意しました。
確認はこちら:CoinDancexbt.eu

採用の方向に向かっているSegwit2xは、各所で支持されている解決策ということを示しました。
サポーターの完全なリストは、SegWit2x合意発表で見つけることができます  。

またこちら(wiki/Segwit_support)でもデベロッパーやスタートアップ企業などの賛成表明を見ることができます。

Segwit2xとは、トランザクションのサイズが小さくなる効果「Segwit」と、ブロックサイズの2MBの引き上げを行うことの名称という認識でいいでしょう。

BIP91とは、ビットコインのトランザクション等の問題に対する提案のひとつと考えていいと思います。
Segwit2xにはBIP141というオリジナルがありましたが、BIP91は、80%以上の賛成が集まったら可決とみなす等の変更が加えられた提案、という認識です。

この変更は、もともとのBIP141の提案が95%の賛成投票超過をロックインとしていたため、なかなか可決にいたらないという問題をかかえていたためでした。
これによりBIP91という提案が新たに提出され、ニューヨーク合意(NewYork Agreement, NYA)がとり行われ、Segwitと ブロックサイズの2MBへの引き上げを両方行うという合意がなされました。

 

 

BIP-91(原文)は

version bits4を使って意思表示を行い、336ブロック(2.33日)で80%以上の賛成が集まったら次の336ブロックのロックイン期間を経て、それ以降SegWitに賛成していないブロックを無効とみなす

と表記されています。

 

このBIP91は、80%以上の賛同を得てからソフトフォークしますが、目標賛同数の超過(ロックイン)はネットワーク上でSegWitを起動するための最初のステップに過ぎず、他のステップはもう少し複雑になります。

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SegWitを起動するためのステップ

  • 336ブロックの「猶予期間」があり、約2日半の間にマイナーたちは活性化の準備をする時間があります。
  • BIP91はブロック477,120で起動する。セオリーどおりにいくと、マイナープールらは、SegWitのサポートを通知しないブロックの拒否を開始する。
  • SegWitは、2016ブロックの次の難易度調整期間中にロックインすることができます。これには約2週間かかります

 

 

「7月23日」についての、適切な理解

 

多くのメディアが、分岐問題が「前倒しになった」という表記をしていますが、これは誤解を招くと日本ブロックチェーン協会JBAが記事にしています。

開始後すぐに BIP91 が80%を獲得しロックインされました。その結果7月23日午後8時ごろには有効化され、その後1ヶ月以内に Segwit が有効化することが確実となりました。
しかしロックインしたにもかかわらず一部のマイナーが Segwit(BIP141) のフラグを立てずにマイニングを行っていました。
そのまま7月23日を迎えるとチェーンの分岐が起きてしまうという恐れから、一部では「ソフトフォーク(UASF)の危機が8月1日から7月23日に前倒しになった」という情報が出ました。
しかしこの説明は完全に間違いで UASF が危機だったのは投票をしなかったからであってBIP91 は投票の結果これを行うのでネットワークの51%以上が裏切り者(ビザンチンノード)でない限り分岐は起きません。

 

「分岐はしない」。
これはつまり、BIP91という代替改善策において、その可決条件である80%を世界中のマイナーが自身の意思で支持を表明、つまり投票したものであり、Segwit2xへ対応することをその賛成超過数(80%)が認識し、その方向性にしたがってマイニング(取引証明の作業)をおこなっていくとしているのであって、ビットコインへの方向性への意見の対立により「分岐」はしない、ことを表しています。

ただし、一方でUAHFという提案が一部マイナーにおいて提出されており、これについてはビットコイン・キャッシュとしてUASF とは関係なく有効化するとされています。

・BTC Cash / BitcoinABC
BU をベースにしたハードフォークでUASFに対抗する形で提案された。UASFと同じで投票によらずに時刻で有効化する。
当初は UASF が起きた場合に限りその12時間20分後に起きるように設定されていました。
しかし7月18日になって UASF とは関係なく有効化すると宣言されました。

 


 

ビットコインは最も良好と思われる改善方法に舵を切り、世界のほとんどのマイナーはそれに同意している。

 


 

主要参考サイト

ビットコインの情報サイトの運営者ブログ:『Segwit/フォーク問題の簡単なまとめと私見』:http://www.jpbitcoinblog.info/entry/20170718/1500364413
西欧の車窓から:『ビットコインの非中央集権性が失われる日』:https://medium.com/@europian/decentralized-will-dead-be9b9a157ee0
Coindesk:『BIP 91 Locks In: What This Means for Bitcoin and Why It’s Not Scaled Yet』:http://www.coindesk.com/bip-91-locks-means-bitcoin-not-scaled-yet/
Coindesk:『Explainer: What Is SegWit2x and What Does It Mean for Bitcoin?』:http://www.coindesk.com/explainer-what-is-segwit2x-and-what-does-it-mean-for-bitcoin/
JBA:『ビットコインの動向に関する当協会の見解』:http://jba-web.jp/archives/20170722bitcoin_statement

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