「生産性がない」新潮45でLGBTについて語った杉田水脈議員は何が問題だったのか。

 

つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。
杉田水脈、『「LGBT」支援の度が過ぎる』

 

 

 

https://twitter.com/Rhime_design/status/1023124498730479618

 

ツイートしたときは、こんなに大事の出来事だとは思わなかったんですけど、あとから調べてみたらいろいろなところが言及していたので、驚いたとともに、ちゃんと精査せずに批判していたことを反省してちゃんと記事にしてみました。
ちなみに今回の記事を書くにあたっては、該当雑誌の全文も読んだうえで、擁護の立場を取る方の意見も読みました。

 

なぜ議論を呼んでいるか

 

簡単に要点をまとめたいと思います。
今回、「LGBT支援の度が過ぎる」というタイトルで新潮45という雑誌に掲載された杉田水脈議員という方が書いた寄稿文が問題だ、というので色々な方の間で議論となっている、ようです。デモも起きて、5000人を超える方が集まったとか。

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#1

 

 

 

それで、今回の寄稿文がなぜ議論を呼んでいるかというと、1つ目は、分かりやすい部分で、「生産性がない。」という発言。

 

これは、段階的にみると、

①.LGBTの人は、身体の構造の組み合わせとして自然な方法で限定すると子ができない(これはロジカルな結果なので異論は起きないでしょう)

②.なので子をもうけないLGBTのカップルは生産性がない。
=かれらに税金を投入することに、賛同が得られるものでしょうか。(=いや、得られない{という個人の主張})

※ここで補足を入れると「政治とは、国民の選出された代表が国民というコミュニティの意見を取り入れながら社会をより良くすることを目的に、管轄する国家・自治体をその権力において実行する活動」だとします。

③.そうだとすると、日本というコミュニティの中でその代表組織から現代社会のコア要素となる”資本”が投入されない=私達には価値がないのだろうか?

 

と、論理の先にショックを受ける結果が待っていて、そこで問題だとなるケース。

これは、LGBTの人も、抽象的な概念をひとつ上にのぼれば、”人間”になるので、LGBTの人には国家の金は使わない=人権としての権利が私達(LGBT)だけ疎外されるのだろうか?という点に不安感がでるのかな、と思います。

 

また、擁護側の記事で”生産性”というワードに、

・出産としての生産

・プロダクトやサービスの創造としての生産

がごっちゃになっているのではないか?という指摘がされるのもありました。
ここはややこしくて間違える人が多いとは思います。

 

私の考えでは、全文を読んで文脈から考察すると、杉田水脈議員が言うのは、前者(出産)であって後者(プロダクト)ではないとは思います。
とはいえ出産としての生産性がないので、資本をあてがうことはいいのだろうか?(いや良くない)、という主張は問題だと思います。

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なぜか?といえば、出産と育児(=種の継続に関与する行動)だけが人の価値ではない、というのが恐らくデモなどに参列している方が無意識的に抱く信念といいますか、社会の妥当性というか、だと思います。

 

#2

 

で、議論を呼ぶ隠れた部分として、杉田水脈議員の主張としての
”人間は、男女の2つの性に限定的であるべきだ”というところかと思います。

 

最近はLGBTに加えて、Qとか、I(インターセクシャル=性の未分化の人や両性具有の人)とか、P(パンセクシャル=全性愛者、性別の認識なしに人を愛する人)とか、もうわけが分かりません。なぜ男と女、二つの性だけではいけないのでしょう。
新潮45

 

オーストラリアやニュージーランド、ドイツ、デンマークなどでは、パスポートの性別欄を男性でも女性でもない「X」とすることができます。LGBT先進国のタイでは18種類の性別があると言いますし、SNSのフェイスブック・アメリカ版では58種類の性別が用意されています。もう冗談のようなことが本当に起きているのです。
新潮45

 

冒頭で、擁護の立場に回る方の意見も読みましたと書きました。
LGBTには生きる価値がない?言ったことを言ったと言って叩く行為について

読んだのは↑や、
「LGBTは『生産性』がない」という思想との戦い方。きっちり、杉田水脈氏の意見を否定しながら生きていこう。
のコメント欄など、他なん記事かですが読みました。

で、なんですけど、擁護している方は、結構な割合でメディア記事のライターさんを馬鹿にしたり、けなしたり、全文読まないヤツは情弱、とか少し怖い人が多いかな、って印象でした。
それと、今回の件で「じゃあ障害がある人はどうなのか?」という点も議論があがるようでして、それに該当する意見を引用させてもらうと、

 

杉田氏の言う生産性は出産に焦点を当てたものです。なのでそれ以外の生産性を論じているこの記事はただの便乗ですね。それでも乗っかると。

生産性という用語を使う場合、多くは労働生産性を指していると思います。この記事でも労働生産性のような生産性を取り扱っているようです。労働生産性とは個々人の能力を問うのではなく組織(特に営利企業)のあり方を問うています。
その上で障害者雇用促進法に基づく障害者雇用ならば。つまりおおむね従業員50人以上の企業ならば労働者ごとの分業化が進められ、労働生産性をあまり下げずに障害者を受け入れることは可能でしょう。この意味において、障害者と労働生産性の関係を企業が論じることには意味が有ります。まったく差別じゃない。
つまり、植松被告が特にターゲットとした重度知的障害者を企業が雇用することを社会が望むならば、重度知的障害者の労働生産性を議論することは必要です。
「生産性は本当に『人』の価値ですか?」義足の女優の思い 障害者、LGBT、相模原事件、コメント欄から引用

 

これもまた少し固定概念にとらわれているかな、という意見かと思います。
基本的には、今回の件で反発している人は、「社会の基礎的な働きと思われていることを担えない人にも、人間としての価値は存在する」ということを(おそらくですが…)言いたいわけで、「生産性がないと見られている人を生産性のあるようにするために障害者を社会の場へ連れ出しましょう」、というのは議論の場が違うわけですよね。

思想的に剛健で、柔らかさがないなあ、と思ってしまいます。

 

問題の本質

それで、本質はなにか、というとこちらの記事で主張されている部分と同じところに行き着いたのですが、

 

で、わたしが著者(※杉田水脈議員)の言いたいことをまとめますと

男と女以外は不要だし、
子供ができないと困るしいろいろ面倒も多いから、
寝た子を起こさないようにして
本人が苦しもうが関係なく
ストレートとして人生を送らせればいい。

新潮45の杉田水脈原稿の言葉狩りは止めて、主題を100文字以内でまとめてみたら「支援の度が過ぎる」「生産性がない」は釣りだった(エビデンス付き):http://blogos.com/article/314235/?p=2

 

つまり、「性別の限定性の主張」が問題として根っこにあるのかなと。

 

日本におけるLGBTの問題は、社会における寛容さというよりは、親に理解されないこと。
その親というのは、長くなりますけど

「”人は性として男女に別れ、互いに結婚等の仕組みによって関係をつくり子供を育てるもの”という構図を教育的な常識として学習した経験をもつ世代」

だと言えると思います。
なので、自分の子供が子をもうけないとショックを受けるといいます。
このあたりの杉田水脈議員の主張に関しては、基本的に異論はないかなと思います。(すべてを批判すれば良いわけでもありませんからね。)

 

ただし、

最近はLGBTに加えて、Qとか、I(インターセクシャル=性の未分化の人や両性具有の人)とか、P(パンセクシャル=全性愛者、性別の認識なしに人を愛する人)とか、もうわけが分かりません。なぜ男と女、二つの性だけではいけないのでしょう。
新潮45

という部分で、あれ?LGBTはどこいった?となりはしませんでしょうか?

これは、1つ目にあげた”生産性”としての問題にも関連していて、

  1. LGBTとかなんかあるけど、基本的にはゆくゆくは男と女になりましょうね
  2. 男と女になるからには、子を作りましょうね。(=せっかく出産としての生産性を持ったのだから。)

 

という深層的な論理が隠されているなあ、って感じです。
親に理解されないことが問題とする点は、いいと思いますが、ただし自分の子供が子をもうけないことがショックなことであるという世代的には共通概念として存在するような考え方も、流動的な認識のなかでの一つの思考の枠組みに過ぎないと私は考えます。
少子化も大変ではありますけども。

 

結局のところ

 

結局のところ

「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません。

という〆の部分から、

「伝統などの文化は大事にするが、変えるべき社会構造は適切に変更・更新されていくべきだ。」

という思想を持つ人には理解が得られない文章だったのかもしれませんね。1

 

 

注釈

  1. ちなみに私は「主張に対しての賛同はできかねる」という感情が85%ぐらいです。

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