Numerai:機械学習によって生まれた投資頭脳

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2017年6月23日、BITTREXにNMRのティッカーが並ぶことになりました。

NMR、名称:Numeraiは、29歳の南アフリカ人リチャード・クレイブが中心となって2016年に立ち上げたヘッジファンドですが、かれが資金の運用を行っているわけではありません。

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このヘッジファンドは、機械学習によって鍛えられたAIによって資金が運用されています。

 


 

投資頭脳:Numerai

 

リチャード・クレイブが立ち上げたヘッジファンドを運用するAI。
その頭脳Numeraiの開発は、12,000人におよぶ匿名のサイエンティストたちによって行われています。
かれらは、統計学、機械学習、人工知能、遺伝学者、物理学者など分野は様々です。
かれらがアクセスするのはNumeraiの頭脳ですが、かれらの閲覧できるデータは暗号化技術を利用して巧妙に隠匿され、ヘッジファンドの顧客データなどを直接晒すことなく開発に触れることができるようになっています。

もちろん開発は無報酬でというわけではありません。
その報酬制度の一環として、Numeraiプロジェクトは、仮想通貨Numeraireを使います。
これはNumerai AIの判断が効率的で強固であり改善性に優れた投資自律体とする目的と共存しています。

Numeraireは、ERC20 イーサリアムトークンです。
われわれは、この情報からNUmeraireはイーサリアムのスマートコントラクトに利用目的があるために採用されたことがわかります。
では、要するにNumeraiが提案するNUmeraireトークンはなにに使われるのかというと、”サイエンティストたちがNumerai AIへの知識とプログラミングの時間を提供するインセンティブとしての利用”といえることが出来ると思います。


 

データを欲するAI

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Numeraiの完全な理解には機械学習の技術的素養が必要と思われます。
よって、ここでは概念的記述にとどめます。
(私自身、理解は難しいです。)

機械学習、あるいはAI。
これらは、ブロックチェーン、IoTなどと共にITの注目の技術だと言えることは間違いないでしょう。

一般的に一括りなものと認識しがちですが、機械学習のより高次で先進的な技術としてディープラーニングがあったりします。

猫はなにかと人間問題の題材にもてはやされがちですが(吾輩は…、シュレディンガー…)、ディープラーニングでは、Googleの猫が有名です。(上のかわいくてクールな表情の猫さんはディープラーニングの学習により生成されたものです)

2017年現在は、AI開発過熱歴史の1980あたりの第一回、2000年ごろの第二回を経て、第三回目にあたり、機械学習はそこまで最先端技術というわけではなかったりするのですが、まあそこはいいとして…

AIの学習は、データを必要とします。
Numeraiもそれについては逃れられません。
人間には食事が、機械には電気が。

ここでのAIの定義は、厳密な研究的定義ではなく人間特性の模倣としての広義な意味ですが、手書き文字の認識などでも、たとえば3を認識させるのでもたくさんのデータが必要になります。
汎用的でメジャーな対象物は、(つまり数字とか)便利なデータセットなどが配られたりすることがあるようです。

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過適合(Overfitting)

それでNumeraiはというと、ヘッジファンドという形態の特質上様々な金融商品を扱うことになることが予想されますので、それらは絶えず流動的であり、テクニカル分析などの一定の普遍性を伴った方法の他に、根治治療的固定情報とは対照的な対症療法的な新鮮な市場に対する理解も求められることが連動して予測されます。
具体的には、樹木や桜、猫といった自然物ではなく、人間の創出した概念的新発生の情報です。
よってヘッジファンドAIは、評価の固定した古典的データセットを一度入力してしまえばいいものではなく、絶えず新しいデータの入力を要求されます。
(ディープラーニングは、こうした情報入力の人工体の自律的認識体への接近が進んだという点でシンギュラリティへの糸口とされています。)
これは、単に新概念のデータだけではなく、新概念に対する最もリターンの望める投資手法のデータなども含まれるはずです。

これら投資手法は、Numeraiネットワークに参戦するサイエンティストたちの出番です。
かれらは、持ち前の知識を活用し、Numeraiの頭脳をアップグレードしていきます。

 

過適合:Numerai

ここで、リチャード・クレイブ氏は思うでしょう。
かれは、Numeraiが投資判断をする際に、”今”について求められる判断を、過去のデータと照らし合わせ適合性のポイントがなんとなくうまくいくような、つまりさも”過去においては良いAI”となるのは望んでいません。
上の図は新しいデータと古いデータのエラーの推移として表記されていたものです。
このように安定したデータを使っているとエラーは少なくなっていきますが、エラーが少なくなればいいというわけではなく、過適合という問題が生じます。
流動的市場において、過去においてはうまくいく”過適合(Overfitting)”状態を阻止するには、匿名科学者たちが積極的に新しい事態への最良の対処法をNumeraiに組み込んでいくための仕組みが必要なのです。


​​Numeraireトークンの活用:オークション制機械学習改善システム

ここでNumeraiのトークンNumeraireが活躍します。
オークションの詳しい制度はちょっと複雑なので割愛しますが、Numeraireは、新しいデータに対して匿名科学者が提案した手法に、コミュニティの他の科学者が投票する場合に使われます。
価値のある通貨がデジタルにおいての投票という行為が行われるため、イーサリアムのスマートコントラクトが使用されるようです。

限定的な範囲での予測市場が開催され、そこで科学者たちは、”よりリターンの生む可能性がある提案”に対して、各々が予測し投票します。
そして、改ざん不可能のセキュアな投票の終了後、一定の期間が立つと新しいデータに対しての新手法のパフォーマンスデータが公開されます。
ここで、Numeraiスマートコントラクトは、公開されていた手法に対して予測しNumeraireトークンを賭けていた科学者の中で、実際のパフォーマンスで最も良かった提案に対して投票を行っていた人に対して報酬を配布するというものです。

ここにおいて、過適合の問題、つまり頭脳鍛錬の方法としての古典データ入力という怠惰にとどまらず、積極的なニューデータ適応の手法の提案を促すシステムが構築されているのが理解できると思います。

また、これは機械学習の効率的構築のための、識者間議論の活性化にもつながります。
なぜならNumerai頭脳の効率的学習法の模索が、そのままより良い学習モデル予測投票の結果として生じる報酬の最大化議論につながるからです。

こうしたことから、Numeraireトークンは、どちらもこうした呼び名があるかは分かりませんがトークン使用ではすでにいろいろな場面で見られる「インセンティブ・トークン」の応用的使用で「オークション使用兼用インセンティブ・トークン」などと呼べるのではないかと思われます。

上場したNMRの価値はどこに置かれるのか。

Numeraireは合計2100万NMRが発行されます。追加発行はありません。
これはビットコインの発行量にならってのことと思われます。
初期には、まず100万NMRがリーダーボードに登録されていた科学者に配布されています。
これ以降は、イーサリアムスマートコントラクトによって、毎週一定量の発行が上限の2100万NMRまで行われるようです。
現在6/23では2,223,451 NMRが市場に流れています。

Numeraireがいかに価値を高めるかは、Numeraiの頭脳開発に携わりたいと思う技術者がどの程度増加していき、適切な学習モデルへの予測投票を行うためにNumeraireをほしいと思う人間が増加していくか否かでしょうか。
(2016年時には5000人~7500人ほど、現在は12000人ほどですので約二倍は増えていることにはなります。)

あるいは、詳しくNumeraireの仕組みを詳しく知らない投資参加者が、人工知能・ブロックチェーン・イーサリアムなどの心地いいワードに反応して資金が投入されることによる価値増加が、良し悪しは問わず価値形成に加わることと思われます。

 

最後に

原文参照はしていますが、翻訳も並行して使用しての調査なので、誤謬の可能性は否定しきれません。
詳しく知りたい方は以下のリンクから情報にあたってみることを推奨します。
以上です。

 

資料
Numerai WhitePaper:https://numer.ai/whitepaper.pdf
wired:http://wired.jp/2017/02/26/numerai/
forbes:https://www.forbes.com/sites/laurashin/2017/02/21/this-is-the-worlds-first-cryptocurrency-issued-by-a-hedge-fund/#64d6f6f260b6

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リム(Rhime)

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