ブロックチェーンのちからでもビットコインは「カネ」になれないのか?

それでもビットコインは「カネ」にならない、のか?

 

近頃、JPYのマイニングに真剣に励もうと思いだしました。@Rhimeです。

 

さて今回は、ビットコインについて少し飛躍した批判があったので取り上げて、反論してみようと思います。

 


該当記事

 

該当記事:http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8182.php

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ビットコインは「カネ」にならない…の主張

この記事の主張は大体こうなります。

 

  1. ブロックチェーンは汎用性がない。
  2. だからビットコインは汎用性がない。
  3. それにビットコインの普及は結局政治によって決まる。
  4. 仮想通貨を新種のカネではなく、資産革命を起こすツール

 

反論

まず1:ブロックチェーンは汎用性がない?

 

 

ビットコイン財団の共同創設者で、仮想通貨に関連する法律の専門家でもあるパトリック・マークもその1人。「ブロックチェーンは拡張性があまりない」と、マークは指摘する。

 

この発言がどこからきたものかまったく不明ですが、ビットコイン財団(bitcoinfoundation)のメンバーだったパトリック・マーク氏によると「ブロックチェーンは拡張性があまりない」そうです。
しかし、ビットコイン財団に在籍していた以上ビットコインの普及を推進している側の人間のはずです。
そうした彼の発言は、シルクロード摘発の時と、Mt.GOX事件の発生時においてのビットコインについてのコメントが現在数件見つかります。

 

上院の国土安全保障・政府活動委員会(Senate Committee on Homeland Security and Government Affairs)で証言したビットコイン財団(Bitcoin Foundation)のパトリック・マーク(Patrick Murck)顧問は「ビットコインは違法取引のための魔法の隠れみのではない」と主張した。
2013年11月19日(シルクロード摘発時相当)http://www.afpbb.com/articles/-/3003549

 

米国の著名な投資家ウォーレン・バフェット氏のベストパートナーといわれているチャーリー・マンガー氏は、ビットコインを「殺虫剤」に例え、ビットコインに投資する人がかなりの中毒者だと指摘。これに対し、ビットコイン財団のパトリック・マーク顧問は、IT分野が米国の雇用創出に大きく寄与していると反発。ビットコインを発展させなければ、米国のIT産業も進歩しないと指摘し、米当局に対してビットコインへの過剰な干渉を控えるよう提言した。
2014年02月27日(Mt.GOX事件時相当)、https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201402270026

 

また、ブロックチェーンの有用性は、現状出版の絶対数が少ないため数は限られますが、(しかし仮想通貨・ブロックチェーン技術の開発はおおよそアメリカ・次点で中国・ロシアなどが拠点であると認識していますので、日本語に翻訳されている著作が少ないためであることも留意する必要があるでしょう。)いくつかの専門家の書籍においてブロックチェーンが非常に広範囲に渡って利用可能であると示しているのを確認しています。

 

私個人の予想ですが、「ブロックチェーンは拡張性があまりない。ですが…」というのを切り取って掲載したのではないかと邪推しています。

なるほど確かにブロックチェーンは、拡張性はあまりないかもしれません。
しかし、応用性はどうでしょう?

 

 

ブロックチェーンの拡張性と応用性

 

ここで拡張性と応用性の定義が不明だと論述に不備があるので、・・・。としていくと延々と続いてしまいますので、

  • 前者(拡張性)は「複合的技術取り込みによる垂直的な成長の予測高さ」
  • 後者(応用性)は「単一技術の水平的適応強度」

としておきます。
なんとなく伝わればいいです。

 

ここにおいて、”拡張性は低いが、応用性が高い場合”はどうでしょうか。
その応用性の単一強度が、その単体で「革命だ」と言わしめるほどの強度だとしたらどうでしょうか。

インターネットが01を送信できるプロトコルであるとして、その拡張性がなく技術的産廃だとしたら。それはもしかするとAppleがマッキントッシュを発明していなかったら本当に訪れていたかもしれません。
しかし、Appleは(というよりスティーブ・ジョブズは)”可能”を示し、革命を起こしました。

単一技術の水平的適応強度によって、音楽・デジタルペイント・ワープロ・メディア、
そして現実世界で説明が付かないモノ:Twitter・Facebook・などのSNS、書き込み可能な動画サイト、など。

が生まれたとしたら?

 

…ブロックチェーンはどうでしょうか?

 

2.だからビットコインは汎用性がない?

 

記事を引用すると以下のようになります。

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ブロックチェーンは拡張性があまりない」と、マークは指摘する。

ビットコインは汎用性が低いということだが、少なくとも近い将来に仮想通貨で全ての取引を扱うのは無理だろうと指摘する。

 

ブロックチェーンは拡張性があまりない」はマーク氏のコメントからの引用であり、ビットコインは汎用性が低いは記事のライターの記述です。

 

かれ(パトリック・マーク)はいつ”ビットコインは汎用性が低い”と言ったのでしょうか?

 

理論的に破綻しています。
このようなすり替えの記述をする人物は信用できません。

考えられることとしてはまず、この記事を書いた人物はビットコインが普及してほしくない権利者である、というケースです。

 

高名な哲学者も、”人間はこうあるべきだ”という本来性への欲望によって他人の発言を捻じ曲げて理論を展開してしまうことがあります。

 

ドイツの哲学者・思想家のハンナ・アーレントは、マルクスの『資本論』のある一節を引用して、”「自由の王国は労働が止むときにのみ始まり」、とマルクスは主張している。」と『人間の条件』で書いています。[ref]『暇と退屈の倫理学』、國分功一郎、p195[/ref]

 

しかし実際のマルクスの資本論の一節は「自由の王国は欠乏と外的有用性によって決定される労働が止むときにのみ始まり、」で始まります。

ひとことも「労働がやまなければ、自由の王国は始まらない」とは主張していません。

わたしたちは、このような記述改ざんの可能性を、いつも自覚していなければなりません。

 

ダークサイド代表をなぜ呼ぶのか?

また仮想通貨の普及の言及について、記事ではモネロの開発者のコメントを掲載しています。

仮想通貨モネロの共同開発者、リカルド・スパグニも同じ考えだ。彼は、理論的にはテクノロジーがカネを政治から解放できたとしても、それが現実にはならないと指摘。仮想通貨が普及しても、ニッチな存在であり続けるだろうと予想している。

なぜ匿名性を特徴としたモネロの開発者を出すのでしょうか。
少しばかり意図的なコメントの抽出を感じます。

 

ここでイーサリアムNEMなどの、精力的にブロックチェーン技術を社会に浸透させようとしているプロジェクトの関係者からコメントがされれば、これとは異なる発言がなされるのではないでしょうか?

 

ただし一方の可能性として、記事のライターがビットコイン・ブロックチェーンの知識がほとんどない人物なのではなかという推測も考えられます。
後述しますが、こちらの可能性ほうが高いかもしれません。

 

3.それにビットコインの普及は結局政治によって決まる?

何より、ビットコインが国際通貨の地位を手にするほどに拡大しても、通貨政策を決めるのは結局、各国政府だ。異なる仮想通貨による覇権争いも予想される。実際、中国やロシアは既に独自の仮想通貨の開発を行っており、アメリカとの競争が考えられる。拡張性といった技術的な問題に関係なく、ビットコインの未来は政治で決まるのだ。

【参考記事】ビットコイン大国を目指すスイスの挑戦

 

しかしながら、この参考記事をたどってみると、そこにはスイスがビットコインを推進し始めたという紹介がつらつらと書かれ、ブロックチェーンがトレーサビリティを確保するのに有用な手段だと掲載しています。

例えばデンマークの海運会社マースクでは、この技術を貨物の追跡に役立てている。同社によれば、東アフリカからヨーロッパにコンテナ1つを輸送するのに現状では最大30人の証印や承認が必要で、目的地に到着するまでに200以上のやりとりを経る場合がある。しかしブロックチェーンを活用すれば書類を減らして手続きを迅速化させ、数百万ドルのコストを削減できる可能性がある。

 

このような論理の整合性がない記事(参考記事と該当記事は、参照可能であるだけでライターは別)を、なぜライターのかれは展開するのでしょうか?

 

また、仮に各国が独自通貨を発行したとしましょう。

ビットコインが国際通貨の地位を手にするほどに拡大しても、通貨政策を決めるのは結局、各国政府だ。異なる仮想通貨による覇権争いも予想される。実際、中国やロシアは既に独自の仮想通貨の開発を行っており、アメリカとの競争が考えられる。

しかし中国などの人民元不安などは、仮想通貨化されてチャラになるのでしょうか?
中央的仮想通貨は、結局のところ国民の不安を拭い去らないのではないのでしょうか。
かれはビットコインを間接的に知っているだけで、持ったことなど一度もないのではないかと思われてきます。

 

なぜビットコインは「カネ」にならないのか?

いろいろ言ってきたけど「カネ」にはならない?

「カネ」と、かっこ閉じする意味合いは図りかねますが、おおよそ既存の通貨に対応する”進化的・代替的通貨”を前提にしているのだと思います。

 

カネになる、という点を考えるとどうでしょうか。

価格的にも、性質的にも、ビットコインはそもそも”金(カネ)”ではなく”金(キン)”に近いと私は認識しています。
供給量の2100万BTCからしてもそうです。
鉱物的であり、それは不換紙幣前の、金に裏付けられたおカネの、その裏付け的存在です。

 

これは前述のパトリック・マークのコメントが、同記事内で引用されていますが、

彼は仮想通貨を新種のカネではなく、資産革命を起こすツールと考えている。「ビットコインとブロックチェーンのトークンは、これまで存在していなかった独特な形の資産をつくり出すもの」と言う。「極めて珍しい、少量の(?)データという資産だ

としています。

すると、該当記事の「カネ」にならない、は正しいことになります。

…えーっと……あれ?

 

なぜ違和感を覚えるのか

この記事の主張は正しいのでしょうか?
でもやっぱり違和感がなんかあります。
もう少し検討しましょう。

この記事の最後で、このようなマーク氏のコメントを引用しています。

専門的な分野では活躍しそうなビットコインだが、各国の通貨に取って代わることは難しい。人間同士の協調は、アルゴリズムほど簡単ではないからだ。

「カネは国家が創造したもので社会的現象にすぎない」と、マークは言う。「カネと国家を分裂させることはできない」

 

そして、タイトルの「それでも、ビットコインはカネになれない

 

これは何を意味するのか。

4.仮想通貨は新種のカネではなく、資産革命を起こすツール

 

記事の記述者がビットコインを疑心している感じがあるのに対し、仮想通貨関係者はデータという資産だ、と言っている。
違和感の解明は、このあたりのギャップにありそうだ。

 

つまり、記事の記述者が

「だが、彼らが願うほど仮想通貨が広く一般社会に浸透するかは微妙なところだ。」「資産管理など新しいビジネス基準の確立のほうにあるのかもしれない。」と書いているのに対し、

仮想通貨関係者のコメントは、「ビットコインは発展させなければならない」、「少なくとも近い将来に仮想通貨で全ての取引を扱うのは無理だろうと指摘する」、「資産革命を起こすツールと考えている」。

と、必ずしもビットコインに否定的ではない発言をしています。

そして、「カネと国家を分裂させることはできない」、とは言っていますが、ビットコインが普及しないとは一言も言っていません。

 

ビットコインの世間イメージの無意識な助長

 

結論でいえば、まだ記事の記述者はビットコインを”疑っている”のではないでしょうか?
そして、基本的な仕組みについて把握していないのではないでしょうか?

そして、自分のビットコインの本来性に論理を持っていこうとしているのだとしたら、それは記事として有益ではないかもしれません。

 

 

ただし、

  • ビットコインが金のような性質をもつ「カネ」とは似て非なるもの
  • ビットコインへの疑いが社会に残存していること

 

を知ることにおいて、この記事は有益なのかもしれません。

 

 

煮え切らない感じですね。

 


 

 

 

参考URL

bitcoinfoundation

それでもビットコインは「カネ」になれない:http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8182.php

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この記事を書いた人

リム(Rhime)

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|【プロフィール】: リム(Rhime)。RhizomeBrain(リゾームブレイン)管理人。Twitter:https://twitter.com/RhizomeBrain
2017年3月から仮想通貨への投資を開始。株式投資は2年ほど。
読書が好き。
大学ではデザインを学ぶ。フラットデザイン・マテリアルデザイン勉強中。

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